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失敗しない「人と組織」 本質的に生まれ変わるための実践的方法
BOW BOOKS 032 予約受付中

失敗しない「人と組織」

本質的に生まれ変わるための実践的方法
著者
小池 明男

装丁 遠藤陽一(DESIGN WAORKSHOP JIN)

ジャンル
ソーシャルイシュー リベラルアーツ 
判型
四六判並製
ISBN
978-4-502-53641-0
頁数
368ページ
発売日
2025.03.31
定価
2860円(税込)

紹介

2011.3.11 あの日から、14年。いったい何がいけなかったのか? 

「失敗の本質」はどこにあったのか? 私たちは生まれ変わることができるのか?

東京電力で再建に携わる社長を補佐し、模索し続けた10年。

著者がそこで見出した「失敗の本質」は、NASA、JALなどの組織事故、複数の食品会社や自動車会社、金融機関などの「不祥事」と同様、ある共通点をもつ強力な組織文化の存在だった。

ところが、無意識の習慣といえる共通の思考や行動パターンから成る組織文化は、どうやって変えるのか、その確立された方法論はなく、多くが、組織内の空気に違和感を抱いても変えられる訳がないと諦めているのが現状だ。

本書は、安全文化のほころびから大事故を招いた企業(東京電力)の再建過程で、社員として一人ひとりの仲間に直接、対話を通じて働きかけ、二度と事故を起こさぬよう、10年以上にわたり、組織文化の変革に取り組んできた著者による、理論と実践の書である。

経営陣、経営企画はもちろん、現場の中間管理職の方々まで、社員一人一人が自主的主体的に組織のパーパスに向かうエクセレントカンパニーを目指すすべての組織人のバイブルとしてお薦めする。

推薦! 

竹内弘高氏国際基督教大学の理事長 一橋大学名誉教授教授)

「本書は、現代の名著である。ピーター・ドラッカーの名言「企業文化は戦略に勝る」を軸に書かれている。そして、アルフレッド・チャンドラーが1962年の名著『組織は戦略に従う』で示したのと同様、著者はケーススタディをベースに実証研究をしている。そして、今は亡き野中郁次郎が第二次世界大戦の実証研究を『失敗の本質』で行ったように、福島で起きた原発事故のケースを中心に理論展開している。このVUCAの時代に、リスクマネジメントに携わる全ての人材にとっての必読書である」

船橋洋一氏国際文化会館グローバル・カウンシル チェアマン) 

「『この会社の文化を変えて下さい』と、死線をくぐり抜けた技術者がわたしに訴えたあの眼差しを、今も忘れることができません。そのように小池さんは、「あとがき」で記している。同じく東京電力の原発事故現場で格闘した技術者は『カウントダウン・メルトダウン』の取材の際、組織文化の業の深さを語った。心の叫びだった。組織文化とは『組織からにじみ出る人格』であると小池さんは喝破する。安全文化を育て、根付かせるには、不断に『人格』を磨く以外ないのである」

目次

 

【序章】 失敗と成功の本質は組織文化に

1 組織文化は戦略にまさる

2 組織文化が組織を壊すとき

3 組織文化と不祥事

4 エクセレント・カンパニーの組織文化

VIEW POINT ① 組織風土と組織文化

第1部 組織文化の科学

【第1章】 優れた組織文化 どのようにしてつくられるのか?

1 よい成果を生む組織文化は意識的に作ることができる

2 優れた組織文化とは?

【第2章】 逸脱する組織文化 なぜ、わかっていてもルールを守れないのか

1 なぜ、事故が起きるのか

VIEW POINT ② 安全について

2 ルール逸脱の類型

3 ルール逸脱を正当化する心理特性

(1)わかってはいるけど、やめられない理由

VIEW POINT ③ メンタルモデル

4 不正のトライアングル

5 近年の企業不祥事の背景

VIEW POINT ④ インテグリティ

【第3章】 3層モデルで考える思考の歪み

1 組織文化の3層モデル

2 東京電力の原子力事故と組織文化

3 根っこにあった失敗の本質

VIEW POINT SPECIAL 東京電力・福島第一原子力発電所事故の教訓

第2部 組織文化変革・実践編

【第1章】 変革のステップ1 組織文化を知る 「何を」「何に」「どうやって」変えるか

1 変革の全体をデザインする

2 ビジョンを描く 「何を」「何に」「どうやって」変えるか

VIEW POINT ⑤ 理想と現実のギャップ

3 「何を」変えるか

4 「何に」変えるか

5 「どうやって」変えるか

VIEW POINT ⑥ なぜ、NASAは変われなかったのか

【第2章】 変革のステップ2 組織文化を変える  「意識変容」「行動変容」

1 変えるのは意識と行動

2 意識変容

VIEW POINT ⑦ 日本人の国民性

3 行動変容

VIEW POINT ⑧ 自分が変わらなければならない「適応課題」

【第3章】 変革のステップ3 組織文化を進化させる

1 組織文化の発達ステージ

2 何を目指して努力し続けるのか

VIEW POINT ⑨ パーパス

【第4章】 組織文化変革 ケース集

1 IBM

2 マイクロソフト

VIEW POINT ⑩ グロースマインドセット

3 スターバックス

4 ベスト・バイ

5 JAL

VIEW POINT ⑪ 各事例に共通する特徴

【第5章】 現場のリーダーのための組織文化変革テキストブック

1 自律的・自発的行動を引き出す職場づくり

2 「上司の役割」

3 「意識」に効果的に働きかける

VIEW POINT ⑫ ソクラテス式対話

4 「行動」を高める視点

5 やる気を引き出す「上司」「風土」

VIEW POINT ⑬ 主体性

6 まとめ

著者

小池 明男

Koike Akio

1987年 東京大学法学部卒業後、東京電力(株)入社、主に経営企画や営業を担当。エネルギーの効率利用と脱化石燃料化による低炭素社会づくりを提唱し、地球温暖化対策の推進に努める。ハーバード大学・国際問題研究所研究員(2008年)。

2011年の震災・事故以降、経営を補佐し、社員意識高揚や組織改革に取り組む。震災史料のアーカイブ化を行い、2018 年より事故教訓を浸透・継承する全社員研修を始め、基盤となる安全啓発施設「3.11 事実と教訓」を整備し、組織文化変革を推進。2021年、安全啓発・創造センター所長。

事故の根本原因を組織文化に求め、ゆるぎない安全文化構築のため、一人ひとりの意識と行動を変える手づくりの組織改革の取り組みは、NHK ニュースウオッチ9 「東京電力の組織風土の問題、意識を変えることはできるのか」(2021年3月放送)、KFB福島放送「シェア!」(2022年3月放送)をはじめ、複数の報道等で紹介される。2022年東京電力ホールディングス退職後、独立。「カルチャー変革エバンジェリスト」として、さまざまな企業の組織変革に携わっている。 mail to : akoike.culture@gmail.com