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BOW BOOKSの書籍

イノベーション全史
BOW BOOKS 023

イノベーション全史

著者
木谷 哲夫

装幀 辻中浩一+村松亨修(ウフ)

ジャンル
ソーシャルイシュー リベラルアーツ 
判型
四六判並製
ISBN
9784502499616
頁数
392ページ
発売日
2024.03.30
定価
3080円(税込)

紹介

産業革命以来の、主な技術のイノベーションと、それにともなう社会の変革を振り返ることによって、今求められる『イノベーションを起こすための条件』を浮き彫りにする!

大前研一氏推薦!!
「実は確かに存在する日本人のアニマルスピリッツが再び目覚め、日本がイノベーション国家として蘇る、本書がその起点となることを願ってやまない」

目次

第1章 アニマルスピリッツ
第2章 黄金時代の準備
第3章 「超」イノベーションの時代
第4章 「特別な世紀」の立役者たち
第5章 日本の「特別な世紀」
第6章 「特別な世紀」の終わり
第7章 衰退の自覚
第8章 聖地の誕生
第9章 半導体の誕生
第10章 ベンチャーキャピタルの誕生
第11章 デジタル・ゴールドラッシュ
第12章 ムーアの法則の爆発的威力
第13章 AI・IoTのインテリジェント・ソリューション
第14章 日本の勝ち筋
第15章 今も続く「超」イノベーションの恩恵
第16章 「超」イノベーション番付
第17章 宇宙の「超」フロンティア
第18章 量子コンピューター、次のイノベーション論

著者

木谷 哲夫

Kitani Tetsuo

京都大学イノベーション・マネジメント・サイエンス特定教授

マッキンゼーにて自動車、ハイテク、通信等のコンサルティングに従事した後、コーポレートファイナンス・ターンアラウンド業務等を経て、2008年より京都大学イノベーション・マネジメント・サイエンス寄附研究部門教授。現在は京都大学でテクノロジー商業化、起業家育成方法、エコシステムについての研究と、全学アントレプレナーシップ教育プログラムの開発・実施に従事している。

日本経済新聞アジアアワードアドバイザリーボードメンバー、関西における起業家教育コンソーシアム協議会の議長も務める。

東京大学法学部卒、シカゴ大学政治学博士前期課程修了(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA。

メッセージ

イノベーションのためにはオリジナリティある研究成果から、というようにキレイな方向でイノベーションを振興しようとしてもうまくいきません。オリジナリティがなければイノベーションが生まれないと考えてしまうことは、イノベーションの可能性の幅を狭めてしまい非常に危険ですし、これまで何十年もやってきたことと変わりありません。
それよりもはるかに重要なのは、クリエイティブな解決案を見出すことのできる人たち、アニマルスピリッツ溢れる人たちの活躍する余地を大きくすることです。
よく、日本経済の停滞の象徴として、時価総額上位の会社の入れ替わりがあまり起きていないことが挙げられていますが、アニマルスピリッツの活躍の余地を狭めれば狭めるほど、下剋上が起きにくくなり、社会が停滞するのは当然です。
イノベーションを振興したいなら、税金を使って補助金を増やすよりも、アニマルスピリッツ溢れる個人が活躍することのできる空間を作り上げることのほうが、はるかに有効でしょう。
私見では、日本の制度疲労は極限に達しているようなので、ここが底と考えて、これからのポジティブな変化に期待したいと思います。
江戸時代の思想家である荻生徂徠はこう書いています。
「学問は飛耳長目の道と荀子も申し候。この国にいて見ぬ異国のことをも承り候は、耳に翼出来て飛び行き候ごとく、今の世に生まれて数千載の昔の事を今目に見る如く存じ候ことは長き目なりと申すことに候。されば見聞広く事実に行き渡り候を学問と申すことに候ゆえ、学問は歴史に極まり候ことに候」(北岡伸一『世界地図を読み直す―協力と均衡の地政学』より抜粋、『荻生徂徠先生問答書』の一節)
一部を意訳すると以下のようになります。
「自国にいながらにして、見たことのない異国のことを知ることができるのは、まるで耳に翼が生えて遠くへ飛んで行くようなものです。また、現代に生きながら、数千年前の出来事を目の前に見るように理解できるのは、まるで目が遠くまで見通せるようなものです」
要するに、「異国の事」、「歴史」を知ることが事実を深く認識するために重要だということです。本書を読んで「耳に翼が生えて遠くに飛んで行くような」感想を持っていただければ、著者として最上の喜びです。(あとがきより)