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科学的論理思考のレッスン
BOW BOOKS 009 予約受付中

科学的論理思考のレッスン

著者
高木敏行 荒川哲

装丁 辻中浩一(ウフデザイン)

ジャンル
ビジネス リベラルアーツ 
判型
A5判横イチ
ISBN
9784502412912
頁数
212ページ
発売日
2022.06.30
定価
2200円(税込)

紹介

ビジネスパーソンに人気のロジカルシンキングには、その基礎になっている演繹推論、帰納推論、アブダクション、それらの元になっている集合と論理の基礎を

機械学習やデータサイエンスには、その基礎になっているデータ科学推論、その元となっている確率や関数など、中学や高校の数学の復習を

いざという時のためのビジネスパーソン必携書!

情報があふれている中では、何が真実かを見極めるための科学的で論理的な思考が必要です。
本書が、その科学的で論理的な思考法について紹介します。
科学的で論理的な思考法を、ここでは推論法と呼び、基本となる4種の推論法について述べます。
演繹推論、帰納推論、アブダクション、データ科学推論です。


分析的推論である演繹推論では、一般的で普遍的な前提から結論を導きます。
それに対して、他の推論法は拡張的推論と呼ばれ、観測したデータから結論を導き出します。
帰納推論では、個別の事例から普遍的な結論を導きます。
アブダクションでは驚くべき観測事実から飛躍した仮説を立て、それを検証します。
データ科学推論は多くのデータから、分析によりその背後にある事実や有用な情報を抽出し、推論します。

本書は、これらについて概要を述べますが、多くは、中学の数学で学んだ数学が元になっていることに驚くことでしょう。お洒落な装丁で、実践的数学の学び直しの本としても、身近においていただきたい1冊です。


目次

はじめに

 

LESSON 1 論理の基礎

思考と推論について

なぜ、科学的論理思考が必要か?

4種の科学的論理思考法

科学的論理思考とは推論のこと

非論理的言説に惑わされないために

1 演繹推論

2 帰納推論

3 アブダクション

4 データ科学推論

 

科学的論理思考のための「集合」と「論理」の基礎

なぜ、「集合」と『論理』が、思考と推論にとって重要か?

集合

集合の定義と記号

有限集合と無限集合

和集合と積集合

補集合

集合の演算

3つの法則

要素の個数

二項対立

ベン図の応用と演習

論理

論理の命題と記号

複合命題で用いる記号

論理積

論理和

否定

含意

真理値表

真と偽の真理値表

複合命題の含意と逆・裏・対偶

必要条件と十分条件

集合と論理の対応

 

LESSON 2 基本の推論

 

1 演繹推論

演繹推論とは何か

直接推論

間接推論

定言三段論法

選言三段論法

仮言三段論法

後件肯定論証の間違いの例

前件否定論証の間違いの例

 

2 帰納推論

帰納推論とは何か

枚挙型論証

投射

枚挙型論証と投射との比較

類推

コラム 数学的帰納法は帰納法ではない?

 

3 アブダクション

アブダクションとは何か

アブダクションの3段階

観察、仮説、検証の例

アブダクションと科学的探求

 

! やりがちな誤った推論

複合命題の逆と否定

循環論法

多重質問

トートロジー

合成の誤謬

誤った二分法

誤った前提

相関関係と因果関係の誤った理解

 

 

LESSON 3 統計学的論理思考の基礎とツール

 

4 データ科学推論

データ科学推論とは何か

①得られたデータから、その全貌と将来を推定する

②一部のデータから、全体の様子を推定する

③調査・推定したデータがどこまで信頼できるかを推定する

ヒストグラム

代表値(平均値、中央値、最頻値)

平均値

中央値と最頻値

分散と標準偏差

いろいろな確率分布

二項分布

正規分布

ポアソン分布

抽出したデータの平均値の分布

コラム 標準正規分布と偏差値

統計的推測と検定

全数検査と抜き取り検査

全数調査と標本調査

母集団と標本の関係

推定と検定

コラム 選挙の出口調査、なぜ当落がすぐわかるのか?

相関

相関関係と相関係数

順列・組合せ

順列

組合せ

確率

統計的確率

数学的確率

場合の数と数学的確率

数学的確率の加法定理と乗法定理

大数の法則

余事象

期待値

ベイズ推定

ベイズの定理

 コラム ベイズ推定を用いたPCR検査の評価

リスク分析

 コラム マンモグラフィでの利益リスク分析

誤差

系統誤差

偶然誤差

偶然誤差を推定する

絶対誤差と相対誤差

間接測定による誤差の伝播と累積

有効数字

コラム 誤差を考慮しない推定

さまざまな関数

比例

反比例

1次関数

2次関数

コラム AIと関数

n次関数

指数関数

 コラム 新型コロナウイルス感染者数の増減予想は、なぜ難しいか?

対数関数

対数関数の公式

コラム 実験計画法

 

科学的論理思考のための推薦図書

参考文献

あとがき

著者

高木敏行

Takagi Toshiyuki

1954年生。愛知県立旭丘高校、東京大学工学部原子力工学科卒、同大学院工学系研究科原子力工学専攻博士課程修了(工学博士)。日立製作所エネルギー研究所研究員、東京大学助教授 工学部原子力工学研究施設、東北大学助教授 流体科学研究所を経て、1998年東北大学教授 流体科学研究所。2020年より東北大学名誉教授。東北大学研究推進・支援機構知の創出センター特任教授、副センター長。日本機械学会賞(論文)、日本AEM 学会技術賞、日本保全学会賞論文賞、日本原子力学会賞技術賞、電気学術振興賞論文賞、文部科学大臣表彰科学技術賞、東北大学総長教育賞等受賞。

メッセージ

最近ではロジカルシンキングやクリティカルシンキングなどの論理思考法がビジネスパーソンの問題解決能力や問題発見能力を鍛えるために使われています。
そこでは、ロジックツリーやピラミッドストラクチャーなどのツールを使うことで、問題解決や説得力のある主張を効果的にできるようになるといわれています。しかしながら、いくらツールを使って演習を積んでも、それらはなかなか身につかない、というのが現状ではないでしょうか。
考えてみると、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの基礎になっている演繹推論、帰納推論、アブダクションなどについて、しっかり理解せずに方法論だけ学んでも正しい応用はできないのです。正しい推論のもとになっているのは集合論や論理学です。本書では他の書籍ではあまり触れていない、こうしたところを説明します。
さらに、推論をする上で、データを正しく理解・解釈しないと誤った推論をしてしまうことが往々にしてあります。このとき、統計学が役に立ちます注。データに統計学的な手法を用いると、より多くの情報を得ることができ、データを有効に活用できるようになります。
このため、本書では、演繹推論、帰納推論、アブダクションにつぐ、第四の推論として、統計学を用いる論理思考として、データ科学推論をご紹介します。データ科学推論は、多くのデータから統計学的な方法により有益な情報を抽出する統計科学推論や、コンピュータが自動的に学習してデータの背景にあるルールを見つける機械学習、大量のデータから発見的な知識獲得を目指すデータマイニングなどを含みます。本書では、データ科学推論を知るためのベースとなる統計学の基礎、ベイズ推定、実験計画法などについて説明し、データ科学推論の詳細については、他書に譲ります。
本書が、若い読者にとって科学的で論理的な思考法である推論を身に付けるきっかけになればと願っています。

荒川哲

Arakawa Satoshi

1954年生。愛知県立旭丘高校、東京工業大学理学部応用物理学科卒、同大学院総合理工学研究科物理情報工学専攻修士課程修了(工学修士)。富士フイルム宮台研究開発センター研究員として、世界初の実用デジタルX 線システムの研究・開発、関連特許約200件出願。2001年には同研究部長としてX 線医用機器の研究・開発、2007年Fuji Film Europe GmbH Vice Presidentとして、主にデジタルマンモグラフィーに関して欧州各国の医師、医用物理士と共同研究。2013年- 2019年、国際医療福祉大学准教授 保健医療学部放射線・情報科学科(放射線物理学、画像情報学担当)。北米放射線学会(RSNA)Cum LaudeSPIE Medical Imaging certificate of merit  EC SC62B WG33 委員(2001-2007)

メッセージ

著者である高木君と私は高校の同級生です。彼は長年、学生を教育しながら、研究で活躍してきた大学の先生で、私は主には企業の研究所で研究開発を行ってきました。私にとっては、高木君とこのような本を作成するとは、この話があるまで全く想像もできないことでした。もともとは、この本の編集者である干場さん(出版社の社長でもあるのですが)と高木君がある問題意識を共有化したことから始まりました。すなわち、学生の報告書、企業内での議論などで科学的論理思考が不足していないかという問題意識です。そこで、そのような問題の解決に繋げられるわかりやすい本を作ったらどうか、でも、もうひとり共著がほしい、ということで、私に声がかかった、というわけです。
しかし、原稿を作成し始めると、高木君と私の長年、理系分野で仕事をしてきた人間と編集者である干場さんとでは「わかりやすい」の意味が相当異なっていることに気づくことになります。理系の人間にとっては何も説明しなくても使用できる単語が干場さんから「これではわからない」という指摘が数多く入るわけです。
実は干場さんも高校の同級生(しかも3人共、同じクラス)。進むにつれ、数十年の時を経て昔の感覚にしっかり戻っており、「荒川君、その説明じゃ、その先は読む気になれない。」とか、「高木君、もっと具体的な例、書けないの。」といった指摘がなされるのです。とても新鮮な感覚で編集会議を進めることができました。
このように、理系の環境にどっぷりつかった著者と出版業界で仕事をしてきた編集者とのせめぎ合いで、不十分とは言えかなりわかりやすい説明になったと思っていますが、一方でもっと詳しく知りたいという読者には不十分な説明もあると思います。そのために、なるべく多くの参考資料を巻末に列挙しましたので、実際に科学的論理思考を仕事に活用する場合は関連する資料を見ていただけるといいと思います。
この本が科学的論理的な議論の進展に少しでも役に立つことを願っています。