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BOW BOOKSの書籍

女性社外取締役のリアルガイド
BOW BOOKS 032

女性社外取締役のリアルガイド

著者
大塚泰子・石川仁史・熊谷圭介・石原有希・古田温子

装丁 遠藤陽一(DESIGN WORKSHOP JIN) 

ジャンル
ビジネス リーダーシップ 
判型
A5判並製
ISBN
978-4-502-53651-9
頁数
288ページ
発売日
2025.02.28
定価
2970円(税込)

紹介

「女性社外取締役バブルを終わらせよ。
真の優れた女性社外取締役登用に不可欠な一冊!」
入山章栄氏
(早稲田大学大学院経営管理研究科)


10年ほど前から広がり始めていた女性取締役だが、2021年のコーポレートガバナスコードの改定以来、加速し、企業が求めるバックボーンも、会計士、弁護士、元官僚、TVキャスターや大学教授などから、経営経験者等と同等の基準へと広がりつつある。それに伴い、社外取締役を希望し、人材紹介会社に登録する女性達も増えてきた。

本書は、このような状況にあって、女性社外取締役の、選任、就任から、取締役会まで、そのリアルな実態と課題、そして、男女に関わりなく、社外取締役として持っているべき知識とスキル、経験と、覚悟を、官公庁や各種機関のレポートから、雇う企業側と雇われる女性社外取締役双方、ならびに、エージェントへの豊富な取材をもとに、自ら女性社外取締役を経験した代表著者を中心に、本当に必要なことだけをまとめた、本当に役立つ1冊である。

男女関わりなく、社内社外を問わず、全取締役が最低限知っておくべき、心得ておくべき要件を簡潔かつ本質的にまとめた必携マニュアルとも言える。女性社外取締役やそれを目指す人はもちろん、受け入れる企業の方にも、お読みいただき、本来の目的、すなわち、自社の持続的成長と中長期的な価値の拡大に、彼女たちを活用するための心得帳でもある。


「社外取締役が実質を問われる時代。
男女を問わず、その必須の要件を捉えた必携の書!」
冨山和彦氏
(一般社団法人日本取締役協会会長)

目次

Part 1女性社外取締役を取り巻く環境
Chapter 1 そもそも社外取締役とは何なのか?
Chapter 2 なぜ「女性」社外取締役が求められるのか?
Chapter 3 当事者たちの現状
Chapter 4 実効性のある取締役会であるために

 

Part 2 社外取締役必携基本マニュアル
Chapter 1 取締役の役割に関する会社法およびコーポレートガバナンス・コードの内容
Chapter 2 企業戦略
Chapter 3 財務/会計
Chapter4 人材マネジメント
Chapter5 内部統制
Chapter6 社外コミュニケーション(特に投資家との対話)

著者

大塚泰子

Ohthuka Taiko
 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー サステナビリティアドバイザリー統括
 京都大学法学部卒業後、グローバル総合系コンサルティングファームにおいて、新規事業戦略策定、中長期の成長戦略策定、中期経営計画検証、ビジネス・デュー・デリジェンスといった領域に携わる。その後は、ハンズオンでの経営統合支援業務に従事。外資系IT企業のコンサルティング部門においてサステナビリティー・コンサルティングの日本リーダーを務め、2022年から1年間、米国ニューヨーク州本社勤務。
2023年より現職。約20年の経営コンサルティング経験を持つ。 2021-2022年、オンラインメディア企業の社外取締役。京都大学経営管理大学院 客員准教授(現職)。 女性のエンパワメントを中心に、社会に対してのポジティブインパクトにも取り組んでおり2024年、女性エンパワメントコミュニティ「Toget-HER」の立ち上げおよび運営リード https://toget-her.jp/about

メッセージ

最近、「将来、社外取締役になりたい」という20代の女性も増えているそうです。
若い女性が取締役になりたいと高い志を持つことは素晴らしいことです。
一方で、「なんで」社外取締役になりたいのか? という点は気になります。
Part1 Chapter1にも記載しましたが、もともと社外取締役への期待値は「企業が世界で戦えるように、経営者を後押しする役割」です。

アメリカで1年働いてみて、今の日本企業が世界で戦うのは、残念ながら難しいと感じました。経営層の価値観がモノカルチャーで、これでは海外市場どころか日本市場の顧客ニーズすら正しく捉えられないのではないでしょうか? また終身雇用、年功序列制度により、属人的な業務プロセス、評価制度が形成され、非効率になっています。これらを変えていかなければいけないのです。それが社外取締役の担うべき役割だと私は考えます。

昔、企業の変革を進める経営者の方がこんなことを仰っていました。
「人を動かすのは、ロジックとパッションだ」
本書ではみなさまのロジックの力を高めるべく、内容を構成しました。
あとは、みなさまお一人おひとりのパッションにかかっています。
女性社外取締役の力で、日本企業を変えていけるように、これからも自分ができることに取り組んでいこうと思っています。

BOW'S EYE

本書は、おそらく現時点において日本で唯一の「女性社外取締役のための、女性社外取締役による、女性取締役の本」です。編著者の大塚泰子さんも、編集担当であり版元社長である私自身も「女性社外取締役」なのですから(大塚さんは「元」ではありますが)。まあ、そもそも、女性社外取締役の本が、これまでほとんど出てこなかったことにもよります。ところが昨今、出ていないのが不思議なくらい、社外取締役を目指す女性たちが増え ていまする。少なくとも、増えていると見込んで彼女たちを対象とした講座は急増しています。 大手コンサルファームに在籍しながら某グロース系の企業の社外取締役に就任した大 塚さんに、本書の企画をもちかけたのは、3年ほど前。でも、類書がないということは 需要がない、ということでもあり、また、あえて女性向けとする理由も、ありそうで、 ない、と時機をうかがっているうちに、気がついたら、まるでファッションのようにキ ャリアのゴールとして女性社外取締役を挙げる若い女性たちが増えているというではありませんか。これは、いかん! と、大塚さんとその仲間たち(?)に一気に執筆を進めていただいたわけです。  なぜ、いかん! かといえば、まず、その責任と問われる知見も知らず、ただ楽して 高収入でかっこいいという勘違いから目指す女性が増えてほしくないから。それは、結 果として女性の地位を貶めることになります。そればかりか、社外取締役の本来の目的、すなわち企業と日本経済の持続的革新的成長と価値向上に寄与しません。 そして、もう1つの理由は、若いうちのキャリアのゴールはやっぱり経営者にしてもらいたいな、と個人的には願うから。本文にもある通り、社外取締役はあくまで監督役です。経営者のように自らの責任で執行する人ではないし、株主のように自腹を切る人でもない。若い人には、まずは執行、すなわち重責の伴う経営の醍醐味を知ってもらいたい。そして、女性ならではのクリエイティヴィティで、革命を起こしてもらいたいと思うのです。人の執行にあれこれ言うのは、その後でいい。というか、そのくらいの気骨と実績のある人が行うのが、社外取締役なのです。  とまあ、本書にそぐわず、かつ自分で自分の首を絞めるようなことを書いてしまいましたが……企業の方々にも本書をお読みいただき、そういう女性をこそ選任して、本来の目的に向けて十分に「活用」していただきたいという思いも込めて、本書を世に出します。