紹介
「明日できることを今日やるな」
仕事と投資と人生の「意志決定論」入門
意思決定とは、選ぶこと。
不確実性とは、わからないこと。
オプションとは、選べる権利のこと。
オプションを現実の(リアルな)意思決定に用いるとき、
「リアルオプション」という。
前半は、根拠のある自己啓発書! 他の自己啓発書、人生訓とはひと味もふた味も違う、新しい視点を与えてくれます。その代表が、「明日できることを今日やるな」。では、その理由は? というわけで、後半は、その根拠たる「リアルオプション」について、その分野の専門語る著者が易しくも専門的に述べています。
できれば、全部読んでいただきたいのですが、前半だけでもいいし、後半だけでもいい、しごくお得な一冊です。
「リアル・オプションとは、金融工学で用いられるオプションの価格決定理論を応用したプロジェクト評価の考え方で、最新の「意思決定論」の一つです。
その原理は、不確実性のある将来において、柔軟性を持つプロジェクトや資産は、そうではないプロジェクトや資産に比べて高く評価できるというものです。「柔軟性を持つ」とは、ある状況が明らかになった段階で、継続か中止かなどの判断が可能な場合を言い、これは将来の予測が困難であるVUCA時代の私達個人の生き方にも、まさにあてはまる考え方です。
将来の不確実性を私達は憂い不安に感じますが、不確実性はリスクではなく価値となります。直線的でない未来は、そのチャンスを活かすことで予定調和にはない成功をもたらすことができます。そのオプション(選択権)を私たち一人ひとりが持っているという視点を本書は与えてくれます。
目次
第I章 明日できることを今日やるな
簡単なロジック
1満天の星
2怠け蟻(アリ)のはなし
3三匹の子ぶた
4柔よく剛を制す
5織田信長のベクトル
6三年寝太郎の夢
7結婚は人生の墓場
8永遠のβ
9もう一人の兼好法師
選ぶことは捨てること
10選ばなかった損失
11選ばないを選ぶ
12選べない
13選ばされる
14選んでいる
15選ばれていない
16感性を捨てない
17勇気を捨てない
18行動を捨てない
19時間を捨てない
20好機を捨てない
21初志貫徹を捨てる
22完璧を捨てる
23無限を捨てる
認識の転換
24あなたが主人公
25リスクの表と裏
26その先にある必然
27リスクプレミアム
28クリティカルパス
29価値観ではなく価値
30行動の柔軟性
31真のギャンブラー
32自分が作るバケモノ
33ハインリッヒの法則
34馬は食べるもの
35幽霊ツアー
36教科書間違っています
37蜘蛛のメカニズム
38漢字の不思議
39巷の情報
40無駄な抵抗
選ばれる人になる
41桃太郎のきび団子
42歩きまわる
43スキルを磨く
44「なる」準備をする
45やって「みます」
46Noと言わせない
47他力本願でいい
48好かれなくていい
49書き込まなくていい
50孤独でもいい
51後ずさりしていい
52座礁しないために
53漱石先生の個人主義
54プラトーと空坊
知力アップのトレーニング
55定義について
56数字について
57関係について
58根拠について
59表現について
60あと1ミリ先を考える
第II章 欲の最大化より後悔の最小化
欲と後悔の姿
61王冠を賭けた恋
62得失の姿
63万有引力
64期待という魔力
65根性という無力
66転び続ける労力
選んでしまった後悔
67選ばなかった必然
68選んだ後の選択肢
69永遠のπ
70原油と後悔
71赤信号
72落とし穴
73消えたダイヤ
74放置する
75開き直る
76作り直す
第III章 リアルオプションの理論と実践
不確実な社会
77日本社会の過去と未来
78情報社会のシナリオ
79五つの現代社会
80社会の分岐点
リアルオプションの理解
81意思決定の考え方
82リアルオプションとは
83金融オプション
84オプションのメカニズム
事業のリアルオプション
85従来の考え方の盲点
86段階的な意思決定
87事業オプションの分類
88投資オプション
89PFIとPPP
90契約オプション
91運営オプション
コストマネジメント
92マネジメントとは
93ワークブレークダウン
94キャッシュフロー
95割り引きの原理
96費用と便益
97コストとVfM
98収益率
99NPVの考え方
100EUAW
101コスト管理
分析のための理論
102金利
103資本コスト
1043つの指標
105負債の資本コスト
106株主の資本コスト
107リアルオプション分析
108人生のリアルオプション