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BOW BOOKSの書籍

わたしが、認知症になったら 介護士の父が記していた20の手紙
BOW BOOKS 011

わたしが、認知症になったら

介護士の父が記していた20の手紙
著者
原川大介

監修 加知輝彦、装丁 石間淳

ジャンル
ライフスタイル 
判型
B6判変型
ISBN
9784502446214
頁数
192ページ
発売日
2022.09.23
定価
1540円(税込)

紹介

85歳以上の55%が認知症!?
あなたにもいずれ、おそらくやってくる、介護する日、される日、その日のために。
あなたが家族に伝えるための「共有シート」付き!


介護離職が問題となるなか、従業員の介護と仕事の「両立支援」プログラム、コンサルティングを採用する大企業が増えてきました。介護問題は、いまや企業にとっても、子育て支援、 女性活用と同様、人材開発上、不可欠なアジェンダとなっています。
なかでも、問題となる「認知症」。
本書は、さまざまな介護の現場を二十年以上務め、現在は、介護士の指導育成、ならびにコンサルティングを行う著者が、自分が認知症になったときのために、娘に向けて書いておいた手紙、という体裁をとりながら、誤解されやすい認知症患者の実際から、基本的な医学情報、介護保険を受ける際の手続きの知識まで、実感こもる豊富なエピソードとともに、お届けす るやさしい手引きであり、これから、親が、そして自分自身が認知症になるかもしれない私達の全てへの「手紙」でもあります。

そして添付の、読者自身が、その日のために手紙を書くときのためのメモ「共有シートフォーマット」は、家族や介護に携わる方々にとっては、実はエンディングノートよりあってよかった、と思えるものとなることでしょう。

目次

第一章 何よりもまず伝えたいこと
1 お前は何も悪くない
2 先にはっきりさせておく
3 介護サービスを断られてしまわないか?
4 お金について
5 お前の名を忘れても
認知症・九十歳のメッセージ「妹の病気が良くなるよーに」
認知症の基礎知識① 認知症とは
認知症の基礎知識② もの忘れと認知症の違い
認知症の基礎知識③ 認知症の兆し
認知症の基礎知識④ 認知症をとりまく現状
認知症の基礎知識⑤ 認知症の予防

第二章 お前が楽になるために
6 話が通じない・言いたいことがわからない
7 父さんが嘘をついたときは
8 家族間で揉めたときは
9 薬について
10トイレの失敗
11今後の認知症薬の可能性
認知症・九十歳のメッセージ「玄関にクマがいる」
認知症の基礎知識⑥ 認知症の種類と特徴
認知症の基礎知識⑦ 中核症状と行動・心理症状
認知症の基礎知識⑧ 認知症の方が体験している世界
認知症の基礎知識⑨ 治療・薬物療法
認知症の基礎知識⑩ 介護職によるケア

第三章 介護サービスの利用にあたって
12デイサービスに馴染めなくても
13施設に入ることは、父さんの不幸でもお前の諦めでもない
14あかんべえしたお婆ちゃん
15手厚い介護を受ける方法
認知症・九十歳のメッセージ「もういらねえから」
認知症の基礎知識⑪ 介護保険サービスの利用方法
認知症の基礎知識⑫ 介護サービスの種類
認知症の基礎知識⑬ 介護施設を選ぶポイント

第四章 とても大切なこと
16母さん以外の女性の名を呼んだときは
17「明日があるさ」なんて、本当の絶望を知らない奴の戯言だ
18死について
19取り上げてほしいもの。車・火
20徘徊が始まったら

エピローグ
認知症・九十歳のメッセージ「これ持っていって」
あとがき

付録 あなたが認知症になる前に、つくっておきたい共有シート

著者

原川大介

Harakawa Daisuke

1984年生まれ、静岡県焼津市出身。介護士(介護福祉士・ケアマネジャー)。

2004年より、社会福祉法人東益津福祉会で14年間、その後、有限会社長者の森で3年間、介護士、生活相談員、ケアマネジャーなどとして、認知症を持つご本人とご家族への介護・支援に従事した。その間、特別養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイ、グループホーム、居宅介護支援事業所など、さまざまなサービス種別、介護現場を経験。

その傍ら、介護保険法に位置付けられた法定研修である認知症介護実践研修の指導者として、主に家族支援の講師を担い、毎年多くの介護士を育成している。

2021年7月、介護事業の経営実務と運営支援を業とする個人事業主として独立。2児(一男一女)の父親。

メッセージ

「認知症=不幸」とは限りませんが、多くの方が、認知症という病気によって、苦しい思いをしています。

一方で、認知症という病気を理解し、上手に付き合っている方もいます。また、最初は苦しそうだった家族が、何かをきっかけにふと楽になったり、認知症である本人の症状がぐっと和らいだりすることもありました。

何が、そうさせたのか?

誰にも当てはまる正解はないのかもしれません。しかし、私は、介護の仕事を通して、認知症である本人やご家族から多くのヒントを教わりました。
今回、そのヒントを広く共有するために、「長年、介護の仕事をしていた父親が、自分が認知症になる日に備えて書いた、娘への手紙」という形で、本に綴りました。

これは、あなたへの手紙です。認知症になった(あなたの)家族が、あなたに伝えたい言葉です。
いま、認知症により大変な思いをしている「あなた」の苦しみが、少しでも和らぐように、いつか認知症になる可能性のある「あなた」やあなたの「家族」が、そのときになるべくしあわせに暮らすために、この本を活かしていただければ幸いです。
(「はじめに」より)

加知輝彦

Kachi Teruhiko

新潟県新発田市出身、弘前大学医学部卒、社会福祉法人仁至会理事長。
医学博士、脳神経内科専門医・指導医。

岐阜県立多治見病院、名古屋大学、英国キングズカレッジ病院、国立長寿医療研究センター副院長、認知症介護研究・研修大府センター長を経て、2021年6月より現職。

専門は、神経内科学、老年医学、神経生理学。主な著書・総説に、「認知症介護基礎研修,実践者研修,実践リーダー研修,指導者養成研修」(日本医師会雑誌第147巻特別号(2)認知症トータルケア、日本医師会 2018)、『神経疾患とフレイル.フレイルハンドブック』(ライフ・サイエンス 2016)『認知症とは何か』(社会福祉学双書2022第3巻 高齢者福祉、全国社会福祉協議会 2022)『認知症の専門的理解.新訂認知症介護実践リーダー研修標準テキスト』(ワールドプランニング 2022)他多数。

BOW'S EYE

本書の最初のお原稿をいただいたのは、2020年初め、わたしがディスカヴァー社長を退任してすぐのことです。ディスカヴァー時代、ベストセラーをご一緒につくった小宮一慶さんのご紹介、小宮さんの経営ゼミの塾生さんということでした。全体の書き方をフィードバックすると、半年もたたずに書き換えてこられました。お医者さまの監修が必要だと申し上げると、それもさっそくみつけて、原稿に厚みも加わりました。 でも、、、、21年秋から創刊したBOW BOOKS のラインには、ちょっと合わないので、べつの出版社をご紹介しようかと申し上げましたが、干場のところからとつよくご希望になり、、、、そろそろ営業的にもだいじょうぶかな、と満を持して出させていただいた、というわけです。 そして、出させていただいたことを私もとてもうれしく思っています。 内容が、いままさに、私の両親の状況とかぶる、お世話になっているケアマネさんやヘルパーさんにも差し上げたい、友人達にもたくさんシェアしたい、というものであるだけではありません。原川さんの愛に満ちた、そして、お上手な文章の力です。感動があります。登場する高齢者の方々のお一人お一人が目に浮かぶようです。 最後の共有シートは、わたしも、息子のために、今から書いておこうと思います。