紹介
いろいろな国の外国人とも仕事しなくてはいけなくなってしまった現代のビジネスパーソン必携!
本書によって、向上する日本語力とは、日本語の特性を生かし、日本語を母国語とする人にとっても違和感のない日本語でありながら、かつ、日本語から外国語への翻訳が容易となる日本語表現―いわば、グローバル時代の日本語力です。最近、米国政府が公開しているプレイン・イングリッシュ(平易な英語)にならって、プレイン・ジャパニーズのガイドラインが公開されました(Japan Plain English & Language Consortium (JPELC))が、まさにそうした日本語力で、本書が、パート1の日本語表現原則のセッションでとりあげたルールに近いものとなっています。
タイトルの通り、日本語の例文を示し、それを機械翻訳にかけたらどうなるか、正確な翻訳結果をえるためには、元の日本語の文章をどう直したらいいか、ひとつひとつ、丁寧に見ていきます。文字通り、ワークブックです。本書ではさらに、そのセンテンスの集合体である文書の構成法も説明します。つまり、日本語に多い「起承転結」「断定回避」からの脱却です。そのための、PREP法など5つの文章構成を、英語のテンプレートを示しながら、例文とともに習えます。
けれども本書の特徴は、それにとどまりません。そもそも文章以前のグローバル・コミュニケーションのルールを知り、それに基づいた日本語表現を考えること。そのうえで、機械翻訳にかけることを推奨しています。つまり、これ一冊で、文章以前のグローバル・コミュニケーションのルールが学べるのです。さらに、さらに、機械翻訳を助ける英語の慣用表現集も載せました。おもに、人間関係構築のための英語表現です。たとえば、「おつかれさまです」「すみません」とただグーグル翻訳にかけても、適切な翻訳は出てこないはず。こういう場面では、どう言うのがふさわしいのか? いわば、英語からグローバル時代の日本語表現を考えることができるわけです。
それぞれのルールに、著者の豊富な経験に基づくコラムや、実践方法のアドバイスも!
小さいけれど、強力な一冊です。
プレイン・ジャパニーズのルールから、ビジネス文章構成法、グローバルコミュニケーションのルール、そのまま使える英語表現、機械翻訳ツール情報付き!
目次
はじめに
PART 1 基礎編
グローバル時代のわかりやすい日本語表現の原則
LESSON 1 グローバル時代に必要な日本語の文章 基本ルール
LESSON 2 わかりやすさを倍増する、脱「起承転結」型文章構成 五つのタイプ
PART 2 実践編
グローバル・コミュニケーションのルールから、日本語表現を考える
LESSON 3 意見を表現する
LESSON 4 依頼する・要求する
LESSON 5 共感を示す
PART 3 特別編
日本語表現にも役立つ、関係構築のための英語表現
おわりに
機械翻訳ツールのご紹介
著者
BOW'S EYE
この企画を思いついたのは、もう7,8年前、ディスカヴァーにいた頃です。 当時は、海外進出のため、アメリカ人や中国人を正社員に雇い、欧米の方へのメールの英訳もよく頼んでいました。頼むからには、自分で英語で書くのはなかなか難しい、ちょっと込み入った話。日本の出版業界の課題とか。村上春樹の講演依頼はむずかしいだろう、という話とか。で、そのとき思ったのが、そもそも日本語をすごくわかりやすく正確に書かないと、彼らは英訳できない、誤訳になるという、至極当たり前のことでした。でも、ついつい、日本人にメールを書くときのように、言いにくいことをごまかし、自信のないことを曖昧にしてしまうのです。 やがて、数年前ぐらいから、グーグル翻訳がひろがってきたので試してみましたが、主語と目的語を明確に書かないとまるで違う文章になってしまう、難しい言葉は、わかりやすい言い回しに直さないと意味不明の英文になる、などなど、もとの日本語に対する問題意識は一層強まりました。 でも、いったいどういう人に依頼したらいいんだろう? 当時は、plain japaneseのことも知らず、考えているうちに数年。その間、そうだ! 外国人に日本語を教えている先生はどうだろう? と大学の先生をしている知人にも複数相談しましたが、彼らに共通するのは、そんなことをしたら日本語の良さが失われてしまう、というもので。。。。あるいは、easy japanese のことかと言われたり。...根本的なスタンスの違いを感じました。 企画倒れか、、、、、、と半ば諦めていた折り、偶然、井上さんと出会いました。ダイバシティが進むグローバル大企業に勤める帰国子女で、ネイティブ並みの英語遣いであり、英語の経歴書の指導などもしているという井上さんは、すぐに企画の意図を理解し、さまざまな国の人達と仕事をしていくには、日本語そのものだけでなく、そもそもの文章構成、さらにはコミュニケーションのルールから、グローバルなそれを取り入れていく必要があると、企画を広げてくれました。 で、できあがったのが本書です。日本語のプロの方には叱られてしまう点も多々あるかもしれませんが、その意図をご理解いただき、さらにご一緒にブラッシュアップしていけたら、と願っています。関連書籍
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